2011年5月21日土曜日

2011年5月21日 むささびルート

R&Sのマルチ特集で記事のあったむささびルート。
ガメラさんも良いルートと書いてたし
グレードも10aのフェイス、5.9のスラブ、10aのクラックとちょうど良さそう。

烏帽子岩(裏烏帽子/烏帽子岩右岩稜)自体が初なので
アプローチ核心かと思ったけど意外とわかりやすかった。
マラ岩のアプローチから林道に逸れて赤と黄色のテープの目印を左に入って
あとは踏み跡とテープの目印をたどる。
林道の分岐から20分~30分くらいでロケットマンの取り付きに到着。
ロケットマンの岩峰を右に巻くと出てくる隣の岩峰がむささびルートのある岩。
正規の下降路だとこの岩峰と岩峰の間に降りてくるらしい。

3級程度の岩登りで一段上の棚に上がったところが取りつき。
このあたりから石がゴロゴロしているし
浮いていたり加重すると剥がれそうな箇所が多くて怖い。

登る準備をした後に一度懸垂で棚の下まで降りて荷物をデポして登攀準備。
今回は50メートルのダブルロープで真ん中にセカンドを入れて3人で登るシステム。
登攀開始は10時くらいかな?

1P 10a 20メートルくらい。
フェイスのルート。
ひとつだけハンガーボルトに打ちかえられているが
あとは連打されたハーケンの良さそうなものを見つくろってプロテクションを
取っていく。
一応確認してからドローをかけるがリードのフォールは許されない雰囲気。
ホールドもきちんと確認しないと欠けたりするので慎重に。
マントルみたいなムーブがあったり「手に足」したり10aなりの難しさはあった。
怖くてパンプ気味になるがなんとかOS。
終了点は新しいハンガーボルトが2つ打たれていた。

2P グレード不明。モヴィさんリード。
10メートルくらい進んで3Pの取り付きまで進む。
というわけで、終了点の上のリングボルトを手掛かりに登り始めるがすぐに詰まる
リードを交替してトライするが、やっぱりブランクのセクションがあって抜けら
れない。
頑張れば登れないこともないのかもしれないけど
ここは5.6とか5.7のセクションのはず。なにかがおかしい。

よくトポを見ると右側にエイドのルートがあるらしく、
リングボルトはエイドルートのものではないか、という結論になり
もうすこし左のセクションを登る。
ここも土の部分に石が乗っていて気をつけないと落石を起こしてしまいそうで怖い。
1Pの終了点の6、7メートル上の木にスリングがあったのでいったんそこでピッチ
を切る。
フォローの二人を上げてもう一度トポを見直す。

右上のスラブ面にリングボルトがあるが、
これは先ほどのエイドルートの続きだと判断して
左上のブッシュ帯の上に進むと判断。モヴィさんのリードで。
さっきの木でピッチを切らずにこの上まで行くのが正規の2Pかも
このブッシュ帯も浮き石が多かった。
セカンドのばんちょが登ってる時に「大崩落する!」の叫び声と共に
20インチのテレビくらいの石の塊が轟音と共に落ちて行った。
1Pの終了点で待っていたらやばかったかもしれない。
サードで2P終了点まで注意深く登るが、
2Pの支点を作っている立ち木の生えている箇所全体が崩落しそうで恐ろしい。

3P 5.9のスラブ。長さ不明(終了点がどこなのか分からなかったので)。
取りつきから5、6メートルランナウトした上に木があって
その先に一つだけハンガーボルトがある。
ガメラさんが打ち替えたと書いていたやつだ。
5.9のグレード通り難しくないがランナウトしていて怖い。
ハンガーボルトの後は怪しげなリングボルトにドローをかけたり
衝撃をかけたら開いてしまいそうなフレークにカムを決めて進む。
が、途中のバンドで行き詰る。
5.9くらいの感じに登れるラインが見つからない。
正面の悪いセクションを突破しようかとも思ったが
どう考えても5.9ではなくなるし、
最後のプロテクションはフォールしたらやばそうなリングボルトだし思いきれない。

しばらく悩んだ結果、フリーで登るのを断念。
左側のカンテまで降ろしてもらって木を使って無理やり登る。
途中の木にランナーを取りながら7、8メートル上がると
ようやく残置のスリングが巻かれた立ち木にたどりつき支点を作ってフォローの
ビレイ。
どうもここが4Pの終了点のようで
もう少し右側の面を登るラインのようだが完全に見失った。

あたりまえだけどリードが変な所にランナーを取っているので
フォローは強制的にそのラインを登るはめに。
みなさんすみませんでした。

なんとか二人を上のテラスまで上げて作戦タイム。
このルートのハイライト、5Pのいたちクラックは目の前だが
・この時点で15時20分くらい。取りつきから廻り目平まで1時間くらいはかかる。
・トポに書いてあった「フィンガー~フィスト」よりもクラックがワイドに見え
る。
 キャメ#42個で突破できるのか不安。
・4Pをきちんと登れず心が折れている。
・ばんちょも落石で心が折れている。
というわけで、
モヴィさんはトライしたかったようだけど今回は断念して敗退を決定。

1Pの終了点まで一気に下降してセルフを取ったが、
よく考えたら懸垂の支点と下降点の間にブッシュがあって
ここじゃロープを下ろせないじゃん。。。
しかも1Pの終了点はハンガーボルトだからそのままでは懸垂できないし。
というわけでちょっと上のブッシュの立ち木にセットし直して2回目の懸垂をし
て取りつきに戻る。

結局取りつきに戻ってギアを整理してたら17時くらいに。
やっぱり敗退して正解だったか。

R&Sのトポを見直すと3Pは
ハイマツテラスというところで切るようだ。
しかしそんなところあったのかな?
登っていた面よりさらに右の面だったのか?
1Pの10a、3Pの5.9 には納得感があるので、
正しいラインが見つけられれば5.9なりに登れるはず。

アプローチはやや遠いし落石が多い岩場でテンションが下がっていたけど
ほとぼりが冷めるとやっぱりあのいたちクラックの上に立ちたくなってくる。
3P、4Pの情報を入手したらまた行くことになりそうな気がする。

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